お盆の精霊馬と精霊牛の意味とは?食べない方がよい理由も解説!

8月の行事

こんにちは、ちえです。

お盆になると、仏壇や精霊棚(しょうりょうだな)にきゅうりやナスに割り箸や爪楊枝を刺した飾りを見かけたことはありませんか?

この飾りは「精霊馬(しょうりょううま)」と「精霊牛(しょうりょううし)」と呼ばれるもので、お盆の大切な風習のひとつです。

「でも、なんで野菜で馬や牛を作るの?」
「どうして飾るの?どこに置けばいいの?」

今回のリサーチでは、そんな素朴な疑問にお答えしていきます。

由来や意味を知ると、お盆の準備もより心を込めて行えるようになりますよ。

1. 精霊馬と精霊牛とは?見た目と作り方

まずは精霊馬と精霊牛がどんなものか、おさらいしておきましょう。

精霊馬とは

きゅうりに割り箸や爪楊枝を刺して足をつけたもの
● 細長くてスラリとした形が「馬」を連想させます

精霊牛とは

ナスに同じく足をつけて「牛」の形に見立てたもの
● ずんぐりした形が「牛」に似ています

仏壇のそばや精霊棚に飾られるこの2つ。見た目はかわいらしいですが、実はとても深い意味が込められています。

2. 精霊馬と精霊牛に込められた意味

では、この野菜の馬と牛には、どんな意味があるのでしょうか?
それぞれの役割には、ご先祖様への思いやりが詰まっています。

精霊馬(きゅうり)=早く帰ってきてね

● 馬は速く走れる動物ですよね。
● ご先祖様ができるだけ早く家に帰ってこられるようにという願いが込められています。

きゅうりの馬に乗って、ご先祖様が急いで私たちの元へ帰ってくる…そんな優しいイメージなんです。

精霊牛(ナス)=ゆっくり帰ってね

● 牛はのんびり歩く動物。
● お盆が終わったあと、ご先祖様にゆっくりあの世へ帰ってもらうための乗り物として使われます。

また、牛は物をたくさん運べることから、「たくさんのお供え物を背中に乗せて、あの世へ持ち帰ってもらう」意味もあるといわれています。

3. 精霊馬・精霊牛はいつ飾るの?どこに置く?

お盆の飾りとして欠かせない精霊馬と精霊牛ですが、実際に飾るタイミングや場所はどうすればよいのでしょう?

飾るタイミングは「迎え盆の日」

● 一般的には8月13日(迎え盆の日)に飾るご家庭が多いです。
● 地域によっては7月13日から飾る場合もあります(東京など新暦盆の地域)。

迎え火を焚くタイミングで、ご先祖様が迷わず帰って来られるよう、玄関や仏壇、精霊棚の近くに飾るのが一般的です。

飾る場所は仏壇・精霊棚・玄関など

● 仏壇やお供えの精霊棚の前に置くのが一般的です。
● 地域によっては玄関や縁側など、外から見える場所に飾ることもあります。

ご先祖様に「ここですよ〜」と知らせる意味もあるので、目につきやすい場所にしてあげると良いですね。

4. 精霊馬・精霊牛の処分方法は?

お盆が終わったら、飾っていた精霊馬と精霊牛はどうしたらよいのでしょうか。

基本は「感謝を込めて処分する」

お盆期間が終わる8月16日(送り盆)に合わせて片づけるのが一般的です。
● 焼却(燃えるごみ)として処分する
● 庭で焚き上げる(迎え火・送り火と一緒に)
● お寺や地域で設けられた「お焚き上げ」で処分する

ただし、処分時には「ありがとう」「また来年お待ちしています」と心の中でご先祖様に伝える気持ちを大切にしましょう。

食べない方がよい理由

「野菜だし、食べてもいいの?」と思うかもしれませんが、精霊馬・牛はご先祖様の乗り物とされているため、食用には向きません。

風習的にも、基本的には「いただかずに処分」するのがマナーとされています。

5. 地域によって飾り方はいろいろ

精霊馬や精霊牛の風習は、日本全国にありますが、飾り方や意味づけは地域によって少しずつ違いもあります。

たとえば…
● 飾らずに絵や紙で作る地域
● 灯篭やわら馬を使う地域
● 足を割り箸ではなく細い竹で作る地域 など

また、精霊馬だけを飾る、精霊牛だけを飾るというケースもあります。
ご家庭や地域のやり方に合わせて無理なく取り入れましょう。

6. 子どもと一緒に作ってみよう!

精霊馬・牛はとてもシンプルな作りなので、小さなお子さんやお孫さんと一緒に手作りするのもおすすめです。

● 「きゅうりはお馬さんになるんだよ」
● 「ご先祖様が乗ってくるんだよ」

こんな風にお話ししながら作ることで、日本の伝統やご先祖様への感謝の気持ちを自然と伝えることができます。

飾り終わったら一緒に「ご先祖様、ようこそ」とお迎えして、「送り火」でまたお見送り。きっと素敵な夏の思い出になりますよ。

まとめ:心を込めて迎えるお盆の象徴

精霊馬と精霊牛は、たった2つの野菜に見えて、その中にはたくさんの思いや願いが込められています。

● きゅうりの馬には「早く帰ってきてね」
● ナスの牛には「ゆっくり帰ってね」「お供え物を持って帰ってね」

お盆は、私たちの暮らしとご先祖様がつながる大切なひととき。
飾り物一つ一つに込められた意味を知ることで、よりあたたかな気持ちで過ごせるはずです。

今年のお盆も、精霊馬と精霊牛を飾って、ご先祖様を心からお迎えしてみませんか?

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